INTERVIEW

天田優子 ソロプロジェクト immortal noctiluca(イモータル・ノクティルカ)とは、

  一時はメジャーシーンでも活動、元joyのヴォーカリストでありソングライターだった天田優子。彼女が、春奈るなや佐香智久などの楽曲アレンジを手がけてきた森空青をco-Producerへと迎え入れ、始動させたソロプロジェクトがimmortal noctiluca(イモータル・ノクティルカ)。   死なない夜光虫(immortal noctiluca)という意味を持つこのプロジェクトは、迷いや葛藤から抜け出そうとしている人たちの心を優しく照らし、気持ちをそっと前へと押してゆく。そんな、小さな光のような存在でありたいと願っている。天田優子が心に抱いた、壊れそうな、でも確かな光を放つ想いを、森空青と共にギターロックを軸に据えた幻想的な音楽性へと昇華。その化学反応が、immortal noctilucaの1stアルバム『Gleam』へと結実していった。   immortal noctilucaは、今年2月よりライブ活動をスタート。同時に、1stアルバムの『Gleam』もライブ会場で先行発売。天田優子の心の奥底に隠していた心情を痛くさらけ出した歌たちと、荒ぶるギターサウンドを響かせながら気持ちへ寄り添う音楽性に、背中を押してもらえた人たちも多かったようだ。  同作品が、3月8日(水)より全国発売が決定した。ようやく多くの人たちの心に伝わる環境が整ったのは嬉しいこと。joyの音楽性が好きだった方にも刺さる表情も、ここには詰め込まれている。 さっそく、彼女の言葉をここにお届けしよう。    結局は血が騒いでしまうと言いますか、バンドサウンドを求めてしまう面もあったことから、自分が素直にイメージした楽曲を追求してゆくスタイルを取りました。  ――joy解散後、天田さんはソロシンガーとして活動を始めました。 天田  1年くらいは弾き語りで活動をしていました。そうしたのも、joyを解散しても音楽活動自体を止めたくはなかったからなんです。その当時からimmortal noctilucaに繋がる構想はありましたが、いきなりそこへ至るまでには時間も準備も必要でしたし。何より自分自身の修行も兼ね、まずは弾き語りで活動を始めました。 ――春奈るなさんや佐香智久さんなどの楽曲アレンジを手がけてきた森空青をco-Producerへ迎え入れたように、自分が理想とする音楽性を形にしてくれるパートナーを探すため、まずはソロとして歌い始めたのでしょうか? 天田  そうですね。自分でもアレンジまである程度は出来るんですけど、自らのイメージを最終的な形に仕上げて、具体的に行動に移していく力がなかったぶん、そういう方を探し求めていました。 ――immortal noctilucaは天田さんのソロプロジェクト。でも、表現している音楽性にはバンドサウンドの要素も色濃く出ています。ふたたびバンドにしようとは思わなかったのでしょうか? 天田  joyとして9年間活動をしていた中、バンドとしてやり切った感があったと言いますか。新しくバンドを組んだら絶対にjoyと比べてしまうし、あのメンバー以上の人たちと巡り合うには相応の時間も期間も必要だろうなと思っていました。何よりも、自分の力で出来るところまでやってみたい気持ちが強かった。なので、楽曲によってはバンドサウンドを求めようとも、バンドで活動しようという意識は最初からありませんでした。 ――天田さんの中には、最初から描きたい音像は見えていたのでしょうか? 天田  最初にソロとして活動を始めた頃は、バンドとは違う音楽性を求めなきゃいけないという変な意識があって、いろんな音楽性を模索していました。でも、結局は血が騒いでしまうと言いますか、バンドサウンドを求めてしまう面もあったことから、そういう変な意識は一切取り払い、自分が素直にイメージした楽曲を追求してゆくスタイルを取るようになりました。  immortal noctilucaという名前は、「私と同じように肩身の狭い想いをしながら生きてる人たちに、小っちゃくてもいいから光を照らせたらな」という願いを持って付けています。 ――歌詞には、いろんな悩みや苦悩を乗り越える想いから、様々な事柄に振りまわされつつも自分自身を信じようとしてゆく姿まで、これまでの天田さん自身の経験や体験の中で抱いた葛藤を描きつつも、最終的にはしっかり光をつかもうと前へ進む姿を描いていません? 天田  joyの頃から、人には「ちょっと内に籠もり過ぎてるんじゃない!?」と言われたりもしていましたけど。今は、バンドを解散して以降の私自身の心の葛藤がすごく反映した内容になっています。私が歌詞を書くうえでいつも心がけているのが、「大丈夫だよ」「これから明るい未来が待ってるよ」など無責任に結果だけを述べる歌詞にはしたくないこと。最終的な答えがそうであっても、「そこへ至るまで自分がどんな風に考えてきたのか」「どういう葛藤を心で覚えていたから、その答えに辿り着いたのか」、そこまでの過程もしっかり提示していきたいんです。だから1stアルバム『Gleam』に収録した曲たちのどれにも、その答えへ行き着くまでのいろんな心の苦しみや葛藤を描きだしています。 ――それをしっかり示すことが、天田さん自身が前へ進むうえで必要なことだったのでしょうか? 天田  そうです。むしろ、そこが私の楽曲では重要と言いますか、それを伝えることで楽曲にも説得力が生まれると思ってるし、そうしたいからこそ私は全部書いちゃいます。 ――最後に光を与えてゆくように、全部をネガティブな想いで染め上げては違う感じだからですか? 天田  私自身、前に進むために曲を書いているので、全部がネガティブになることはありえないです。ただ、世の中にはネガティブな意見というか、しんどいことを言っちゃ駄目みたいな空気ってあるじゃないですか。世間的に「あの人暗いよね」と思われては駄目みたいな。でも私は、あまり人が言葉にしなかったり出来なかった想いを提示することで、そことシンクロしてくれる人を求めたい。そういう人と想いを共有出来たときほど、その人とすごく心が近くなれたと私は感じるんですね。だからこそ、それを音楽を通して私は提示しています。 ――immortal noctilucaという名前にも深い意味や想いが記されているんですよね。 天田  immortal noctilucaは「死なない夜光虫」という意味。それは、私のなりたい姿の象徴なんです。私の心の中にある「絶対に死にたくはない」という気持ちを直接的に投影した言葉であるのが一つ。それと私自身、夜がすごく好きで、夜に曲が生まれることが多いこと、その、曲が生まれる光のようなものをずっと絶やしたくないということ、そして私自身が「私と同じように肩身の狭い想いをしながら生きてる人たちに、小っちゃくてもいいから光を照らせたらな」という想いを持って付けています。   私自身がマイノリティな人間なんですね。だからと言って生き方が間違いだとは思っていません。信念を持って生きているからこそ、そういう人たちに「肩身の狭い想いをしなくてもいいんだよ」ということを示していけたらなとも思っています。   ――ここからは、1stアルバム『Gleam』に収録した曲についてお聞きしたいと思います。冒頭を飾ったのがインストナンバーの『emerge』になります。 『emerge 天田  この曲はemergeというタイトルの通り、まさに暗闇の中から絶えず光が生まれてくる情景を表現しています。転じてimmortal noctilucaの誕生、出現、発生を表したかったので一曲目にこの曲を収録しました。   『マーベリック』  天田  「マーベリック」は「異端者」という意味。この楽曲はマイノリティな人たちに向けてのエールを贈る歌。私自身が世間で当たり前とされていることに対して疑問を持つことが多い性格。「それ、本当に自分の頭で考えて受け入れてるの!?」と世の中の人たちに対して思うことが多いんですね。だからと言って頭ごなしに反対するんじゃなくて、あくまでも「本当にそれでいいのかな!?」と疑問として投げかけています。   私自身は普通として受け入れてることでも、世間の人たちから見たら「変わってるね」という言葉を投げかけられることも、それで苦しんだことも多かったように、同じような気持ちでいる人たちへ「それでいいんじゃない!?」と伝えたかった。このアルバムの中で、一番強い叫びを持ったのが『マーベリック』かもしれないです。   『風』 天田  『風』も苦しんでいる人に向けての想いを歌にしています。友達でも、失うことへ目を向けてしまう人がいます。私自身もそう。 きっと、いろんなものを失うことに対する恐怖が強いからなんだと思います。自分が行動することで何かを失ってしまったら…  みんなでjoyというバンドを始めて、メジャーにも進んで、だけど最終的にはみんな居なくなっちゃった。解散してからの1年間は、「私なんか何もやんないほうがいいんじゃないか!?」とも思っていた時期でした。でも、私は音楽を辞めたくなくて、こうやって今も続けて、そして新しくいろんな人に出会って、immortal noctilucaを始めることができました。なので、以前の自分に対してもそんなに失うことばかりに目を向けないでいいんだよ、という想いを書いた曲ですね。   『end.  天田  『end.』はとにかく「死にたくない」という歌です。「全てが消えてしまう」と歌っているように、死ぬことを想定している歌なんですけど。私自身、実際は死ぬことを受け入れていないので、それでもなるべく前向きに捉えた結果、最後の最後「全て 感じていたい」という歌詞に繋がりました。   『シェルター』  天田  情報過多な社会なので、見たくないものまで不意に目に入ってきてしまうことが多くて、「それを理解しなきゃ、受け入れなきゃ」とけっこうパニックになってしまうことが私は多いです。いろんな情報が目の前にあふれてゆく中、自分の心がキャパオーバーしてしまうからこそ、「ここだけは守らなきゃ」と自らの聖域を外界の刺激から遮断してしまう。それを私は、シェルターという言葉に置き換え表現しています。   『月の水海』  天田  『月の水海』も、内容は『シェルター』と繋がっています。こちらは深層心理のお話で、夜空に浮かぶ月を見上げて、一瞬トリップした感覚を覚えた経験を元に作りました。これも、自分の聖域を守りたいという歌です。   『NINA  天田  この曲は「星屑ニーナ」という漫画を読んで書いた曲です。これは、自由奔放な女の子とロボットの男の子のお話。寿命がある人間の女の子と、死なないロボットの男の子という世界がimmortal noctilucaの表現するものともリンクするので収録しました。私は、大好きな漫画やアニメに触発されて楽曲を書くことも多いです。こういう表現は、今後も続けていくと思います。   『ブルーノイズ』  天田  『ブルーノイズ』はjoyを解散した後の、バンドに対する想いを女々しさ全開で書いた歌です。最初はそういう想いを形にするのを避けていたのですが、『ブルーノイズ』を書き上げたことで逆に想いが吹っ切れたというか。サウンドも、かなりバンドスタイル寄りになりました。むしろ、前のバンドの延長上のようなアレンジになっています。それを示したことで、「やっぱり、自分はこういうスタイルの音楽が好きなんだ」と再確認することが出来て、今後もそれを表現してゆこうという覚悟も出来ました。   『Gleam  天田  「Gleam」という言葉は、「ちょっとした光」「暗闇の中でぼんやり光る」という意味を持っています。immortal noctiluca自体が「暗闇にいる人に対して、ほんのちょっとでもいいから光を灯し、未来への道標になれたら」という想いで活動しています。その名前と重ね合う言葉として、『Gleam』という言葉をアルバムにも冠しました。   身近な人たちが私の活動を通して心に幸せな光が灯り、その灯がどんどん広がっていけたら。  ――完成した1stアルバム『Gleam』、今の天田さんにとってどんな作品になりましたか!? 天田  凄く純度の高いアルバムが生まれました。作品に関しては、これからもライブ活動と平行してコンスタントに形にしていこうと思っています。私にとっての自分らしい生き方とは、そのときの感情を歌として記録してゆくこと。今はそれをやらせていただける環境があるので、ライブも作品も、私と森空青さんを軸にいろんな人たちとプレイを重ねては、時間をかけてimmortal noctilucaのイメージを具現化するのにピッタリな人たちを探していこうと思っています。   今の私の一番の想いは、immortal noctilucaに関わってくださる人たちみんなが幸せになること。身近な人たちが私の活動を通して心に幸せな光が灯り、その灯がどんどん広がっていけたら。それが、私が理想としている今の活動です。  LIVE PHOTO:北村和孝(Player)/ kimkim TEXT:長澤智典  オフィシャルサイト:http://immortalnoctiluca.com/ オフィシャルツイッター:https://twitter.com/INoctiluca        

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