現在公開中の菅田将暉主演大ヒット映画「帝一の國」主題歌「イト」(4/26発売)がスマッシュヒットし注目を集めるロックバンドクリープハイプ。ゴールデンウィークも5/3「VIVA LA ROCK 2017」(さいたまスーパーアリーナ)、5/5「JAPAN JAM 2017」(千葉市蘇我スポーツ公園)と大型春フェスのメインステージでライブを展開し、バンドとして充実した活動が続く中、並行して展開されたボーカル&ギター尾崎世界観のソロ活動も話題を集めている。昨年6月に発表された小説「祐介」で作家デビューも果たしロングセラーを記録。独特の文才が評価を受け、5/6に発売された雑誌「ダ・ヴィンチ」では「男を、読む」と題した特集内で各界の著名人と並び、短編小説を書き下ろしている。尾崎ならではの視点で綴られる人間味とユーモアに溢れる物語は必読だ。
そしてGW最終日の5/7には東京・上野恩賜公園水上音楽堂にて「尾崎世界観の日 特別篇 2017」が開催された。これは尾崎世界観自らが企画しているイベントで、今回が2回目の開催。昨年も尾崎自らが共演したいゲストに声をかけ、椎木知仁(My Hair is Bad)、YO-KING(真心ブラザーズ)、石野田奈津代が出演。今年は、ガリガリガリクソン、玉川大福(曲師:玉川みね子)という一風変わったゲストが迎えられた。
トップバッター、ガリガリガリクソンは、意気軒昂と登場すると「R-1グランプリに落ちたネタやりまーす。」と皮肉交じりに場を盛り上げ、観客を弄りながらその場をどんどん掌握していく。
ギャグが滑り一時笑い声がなくなると、「これはお客さんが悪いんですよ!皆さん一緒に歌ってください!」とクリープハイプの『ラブホテル』の替え歌を披露し、「客のせい 客のせい 客のせいにすればいい~」と大熱唱し観客を沸かせた。
続いて、洗練された三味線の音にいざなわれ、玉川大福が登壇。「色々な場に出させて頂きましたが、今日ほど振り幅のある舞台は初めてです。」と会場の笑いを誘い、空気は一転して浪曲の世界へ。恐らく普段はあまり馴染みがないであろう観客に対し、道に迷わないよう解説しながら浪曲の旅に案内する。
次に大トリ尾崎世界観が登場。クリープハイプの代表曲から最近は披露していない初期のレア楽曲まで、この日でしか見ることの出来ないスペシャルセットを全編弾き語りスタイルで披露した。最新シングル「イト」のカップリング曲『君が猫で僕が犬』のライブ初披露から始まるパフォーマンスは、リラックスムードの中にも尾崎ならではのエモーショナルさも持ち合わせ、刹那さと優しさが剥き出しになる。曲が終わるごとに「ありがとう。」と感謝を忘れない尾崎。MCでは尾崎の問いかけに対し、精一杯の拍手で答える観客。時折黄色い声援には毒を混ぜて返す。
「予定とは違いますが早めに呼びます。長谷川カオナシが来ます。」とゲストとしてクリープハイプのベーシスト長谷川カオナシを呼び込み、「一昨日声が掛かった」というMCから彼が作詞作曲したクリープハイプの楽曲『買いもの』を弾き語り。続いて二人で掛け合いが印象的な『グレーマンのせいにする』を披露。阿吽の呼吸が悠々と会場を包んだ。
再び尾崎一人の空間に戻り、人気曲を立て続けに披露し、満員の観客を魅了した。尾崎が学生時代を過ごした思い出の街でのメモリアルなソロ企画、来年も開催されるか期待も高まる。クリープハイプとしての活動に主軸を置きつつも、執筆業でも今後新展開も予定されている尾崎世界観の今後に引き続き注目だ。
□5/7(日)「尾崎世界観の日 特別篇 2017」(東京・上野恩賜公園水上音楽堂)
尾崎世界観(クリープハイプ) セットリスト
- 君が猫で僕が犬
- ボーイズENDガールズ
- チロルとポルノ
- 商店街、手紙、天気予報
- 君の部屋
- 買いもの(※カオナシソロ)
- グレーマンのせいにする(※カオナシとデュオ)
- マルコ
- 猫の手
- 大丈夫
- イノチミジカシコイセヨオトメ
- ねがいり
EN 1. exダーリン
EN 2. 大丈夫
□雑誌「ダ・ヴィンチ」2017年6月号・「男を、読む」特集・発売中
尾崎世界観 短編小説寄稿